「自分のことが一番わからないものだよ」
以前、一年半ほど在籍した会社の部長は見た目はGacktさんのようなイケメンで、穏やかで物静かで、聡明な人だった。
だからあっという間にヘッドハンティングされてどこかへ行かれてしまったが、
その部長がおっしゃったことの中で一番印象に残っているのは、たしか私が何かに四苦八苦したあげくに切り抜けた時、自分の至らなさに呆然としていたら、
「自分のことが一番わからないものだよ」
穏やかな笑みでそとおっしゃった一言だった。
何もかも手に入れているように見える彼がのに、そんな根源的な言葉をつぶやくとは意外だった。
生まれてから一度も離れることなく付き合い続けている「自分」が、まさか「一番わからない相手」であるなんて、どういうことを言っているんだろう???と、凡人なワタシには意味不明だった。
それから15年。
いろいろな職場を経て、経験も積んで、スキルも磨き、ある程度の自信もついた。
でも、あいかわらずなものがたくさんある。
・なぜワタシは充実感あふれる休日の過ごし方ができないのか?
・わかってるのになぜワタシは毎回同じことを先延ばしするのか?
・ワタシはなぜモノを定位置に置かないのか?
これは、ごくごくある一部に過ぎない。
これがもし、一緒に暮らしている相手だったりすれば、ワタシはきっとイライライライライラしていると思う。
自分だからイライラというよりは残念という気持ちになるだけの話であって、できれば改善したいなあと思っている。
でも、気合とか意思の力だけでは無理なんだよね〜。
それがやっとわかった。
ではどうすればいいのか?
ワタシに合ったワタシの取説が必要だ。
この壮大なテーマに取り組んでみよう。
「自分の取説??」
って、笑われるだろうなあ。
でも、みんな思っているほど自分を扱えてるんだろうか?
ワタシたちは他人のことではしょっちゅう違和感や怒りを持つけれど、それって自分が根源にあるからなんじゃないだろうか?
そして、生活がもっとスムーズにいき気分よく暮らせるためには自分と上手につきあえることが大事なんじゃないだろうか。
あのときのGackt風部長の一言が思い出される。
一体であるからこそ、やっかい。
一体であるからこそ、未知。
でも一生の相棒なんだよね、自分て(笑)。