仕事好きなわたしのブログ

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「アイムヒア プロジェクト」写真集出版 / 記念展 "まなざしについて"

NHKのニュースで、現代美術家渡辺篤さんが、ひきこもりの方が自室を撮った写真の展覧会をする、というをやっていた。


www3.nhk.or.jp

思わず、食い入るように見てしまった。というのも、ひきこもりの支援は難しく、私も不登校の支援でかかわるものの、「今どんな思いでいるのか」がわからないまま無力感に苛まれたりしていたから。


ゴミだらけの部屋の写真をとった方が「こんな自分をゴミが罰してくれているよう」と述べておられた。そうなんだ、そんな気持ちでいるんだ。ゴミの山の意味が、一般的なものとは全く別に、その人にとっての大事な意味を持っている。そのことを、我々はどこまで知っているのだろう、わかっているのだろう、と考えさせられる。

また、学校でのいじめがきっかけでひきこもっているという男性が登場。渡辺さんとともに、石膏の卒業アルバムを叩き割り、そして再生する。割った跡が自分の傷跡のようにリンクするとおっしゃり、それをとても大事そうに見つめる。

その作業を共にしている渡辺さんの佇まいとか眼差しがとても自然だ。そこにはお仕着せの厚かましさが全くない。

私はこれまで、ひきこもり支援は医療や教育、福祉分野で対応するもの、と思い込んでいた。しかし、今回は「アート」である。アートを一緒に作ろうよ、なのである。


上から「そんなことじゃだめだろ」でもなく、
下から「私たちが支えますから」でもなく、
横で、隣で、「一緒にやろうよ」だった。

とても心地よいショックを受けたのだった。
きっと「一緒にいる」ということを忘れないことが一番大事なんだろうな。

私もいつか、当事者の方の声を聴かせてもらえるような支援者になりたい。


自分が視野が狭かったんだな、と気づかせていただけたし、こんなプロジェクトがあり、そこに参画しておられる方々がいらっしゃるということを知ることができて、なんだかとても幸せな気分になりました。

ありがとうございます。

www.iamhere-project.org