仕事好きなわたしのブログ

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住宅ローンを抱えたら気が引き締まった

貯金など無いも等しいのに3年前住居を購入した。
自分で(強調してます 笑)購入した。
10年ローン!
・・・10年!

・・・10年!・・・・

短めだと思う人もおられるかと思いますが、スタートの年齢によっては決して短くもない(笑)。50歳スタートなので、終了は60歳。
「ああ、何でもっと早くやっとかなかったんだろう」・・・正直、心底そう思った。

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まさか、自分が家を買うとは全く思っていなかった。
私はずっと賃貸派だった。税金とか、管理とか考えると面倒だし、第一、住まいが固定化されるのが嫌だった。固定化されると自由がなくなるように感じていた。
好きな時に好きな場所で暮らしたい。身軽に引っ越せるためには断然賃貸だった。



それが、ある時なぜか突然自分も家を持とう!と思った。もう、きっかけや理由は思い出せない。とにかく、思い立ったら取り憑かれたように行動していた。そして、半年後には新居に住んでいた。

今思えば、面倒くさがりのわたしには「取り憑かれたように」でよかったと思う。でないときっと期を逸して、もっともらしい言い訳をして、やめていたと思う。


家選びは楽しかった。
不動産屋さんが連れて行ってくれる先の物件見物も新鮮だったが、付随して語ってくれる「なぜ今は窓が小さい家が多いのか」とか、「ここは数年先には都市計画でこうなるよ」とか、社会の雑学的なことを知るのも面白かった。

蓄えのなさと年齢から必然的に購入物件は中古物件となった。
リフォームが必要で、その費用が上乗せだったが、物件そのものはかなりプライスダウンしてもらえた。


中古って楽しい。
物件探しの時にモデルルームも見せていただいたが、美しいけどなんだかつまらなかった。室内の全てがもう出来上がっていて、「どやっ!」って感じなのだ。壁紙、装飾、カーテン、家具、照明・・・
全てにおいて完璧である。
完の璧なのだ。

そこには、貯金乏しい物件探し初心者の私を寄せ付けない冷たい感触があった。完璧なものは想像力を萎えさせる。私には「この部屋に住んだらここをこうして、ああして・・・」という想像は一切できなかった。つけいる隙がない、という感じだった。


その点、この古く汚い中古物件は想像力を思う存分かきたてくれた。


この汚いトイレがどう変身するのか。
壁紙はありきたりな白じゃなくて、部屋ごとに変えよう。
床材も変えてしまいたいが、意外とレトロなままでもいいかも。

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中古物件は、私がコミットすることを許してくれる。
リフォームを考える時点からオーナー気分にしてくれる。

そして、30年前の流行りだったであろうシステムキッチンや少しダサめのカウンターの存在も、何だか愛着が湧く。

賃貸派から大転換。
わたしにとっては歴史的大転換だった。

そして、
「住まいを持つことは固定化され自由を失う」を思い込んでいたものはあっさり「思い過ごしだった」と判明した。
私が得意な思い込み(^^;;である。

購入後の私は不自由さを感じていない。
何処へでもいける気持ちは全く変わらない。
持っても縛られはしないのだと気づいたこと自体も、自分は自由であることの再確認だった。


そして私は10年ローンを抱えた。
ドヨーンと沈んでいるか?
いやいや、冒頭に書いたように「もっと早くしておけば・・」はあるものの、悪い気はしていない。

なんだか大人になったような、イッパシの人間になったような。
そして、「これをちゃんと返すんだ」という張り合いが生まれた。
そのためには健康でいて、ちゃんと働いて・・・と、目的めいた感覚となり、気が引き締まった。

ローンは借金には違いないのだが、単にそれだけを意味しないのだと実感している。それを引き換えに得た住まいと、それを自分で獲得し、返済が終わるまでの責任を果たそうとしている新しい自分をも感じられている。

この年齢で初めてのローン。
遅咲きの演歌歌手デビューのような、気恥ずかしさと晴れやかさと引き締まる思いが私にはある。