見ているだけで他人の感情が伝染する
最近、脳科学関係の本を手に取ることが多い。
今日はこの本。
- 作者: マデリン・ヴァンヘック,ケン・パラー,リサ・キャラハン,ブラッド・コラー,茂木健一郎
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 2010/09/16
- メディア: 単行本
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【目次】
*他人を見るだけで感情が伝染する
この中に「感情は伝染する」という一節がある。
神経学者リチャード・レスタックは
「感情には感染力がある。ただ同じ部屋に座っているだけで、他人の気分に感染してしまうことがある」
と、研究を結論づけているそうだ。
つまり、「人は無意識のうちに、自分の気分を他の人に伝えている」のだ。
なぜそのようなことが起こるかというと「感情の理解を助ける脳の配線の仕方に原因がある」という。
他人の感情、さらには考えや行動を理解する際には、自分自身の感情や考えや行動のコード化に使うのと同じ脳のネットワークを使っているらしい。
つまり、私たちは他人を言動を見るだけで、無意識のうちに表情や気分も真似してしまうのだ。
*職場は「伝染する感情」でいっぱい
同じ部屋にいるだけで、
他人の言動や表情を見聞きするだけで、
自分以外の人の感情が伝染してしまうなら、職場はまさに凄まじい伝染の温床だろう。子どもにとっては学校がまさにそうではないだろうか。
伝染する感情がネガティブなものだったら自分の感情も揺さぶられる。ミーティングをすると2時間以内にその組織は同じムードに集束されるという。
多くの人間が存在し、しかもライバル関係や上下関係といった交錯する関係性が網のように張り巡らさされた環境で成果を出していかなければならないとなれば、無意識に感情的な疲労は大きなものとなっているだろう。
*自分の気分を左右されすぎないために
私はなるべくテレビは見ないようにしている。
世の中の動向を知りたくてニュース番組にチャンネルを合わせるけれど、事件・事故・犯罪・災害といったものが多く、それはそれで重要なことなのだが、1日の始まりにそれらをただ受け身で取り込んでしまうと、自分の気分がネガティブなものになってしまう。
「ニュースというものはネガティブなものをいうのだろうか?」
と真剣に考えたこともある。
もっと、国民が朝から良い気分になるようなものをラインナップしたらいいのに、と思う。そうすれば、ポジティブな気分で職場へ出向き、活動性・生産性も上がるのではないかと思うからである。
話がテレビに逸れてしまった。
脳の仕組みとして、ただ見聞きしただけで感情が伝染されてしまうのなら、大事なこの1日をどう過ごしたいか?を考えて、ネガティブなものから物理的に目と耳を遠ざける工夫が必要だろう。
情報が溢れる時代。情報だけでなく他人の感情まで容赦無く入り込んでくる時代。無防備のままでは、自分以外の気分や情報で自分の時間が左右されてしまう、なんてなりかねない。
自分一人になれる場所、イヤホン、声高に喋る同僚が視野に入らないような座り方の角度、悲惨な情報の取り込みのコントロール、自分がどんなことを見聞きしたら気分が良くなるのかの工夫、などなど。
それらをうまく行って、今日も1日快適に過ごしたいものだ。